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文章を書くこと
現在、士業紹介サイト「SHARES」でコラムを書いています。
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野球観戦、広島カープのファン
前職のERPのシステム開発会社で、企業の人事部の方に対して人事労務・給与計算のコンサルをしていました。
その業務は社労士の知識が必要とされる業務でした。
コンサルの仕事は、相手の役に立っていると実感できたので、やりがいのあるものでした。しかし、自分の将来のキャリアを考え始めた入社4年目の33歳の頃、漠然と「このままでいいのかな」と考え始めます。前職はプログラマーが多い会社で、私はもともと営業畑が長かったため、プログラマーに転身するというのも考えにくい年齢でした。そこで、私の業務に関わる社労士の資格に興味を持ち始めました。この資格を取れば何かキャリアアップのためになるのではないかとふと思ったのです。
実はその当時は独立には全く興味がありませんでした。「社労士なら社内でスキルアップできそうだな」「社労士の資格を取ったら名刺に書ける」という単純な動機しかありませんでした。
スクールに1年間通った末に合格することができました。資格取得後、業務自体は変わらなかったのですが、社労士資格に関係するような相談が来るようになりました。クライアントや同僚から「勤怠でこういう場合は残業扱いになるかな?」などの質問があり、お役に立てて嬉しかったですね。
入社して11年目で40歳を超える頃、会社の勤務が辛いと感じるようになりました。給与計算は絶対に納期が遅れてはいけない仕事なので、終電が続いたり、徹夜したりするときもありました。子供もまだ小さかったので、家庭にもコミットしなければならなくなったのです。
子育てのことも考えたときに、この環境にずっといるのはきついだろうと感じました。だからと言って、新しい会社に転職しても同じように残業があって、周りに追いつくのが大変なことも目に見えていました。そんなときに、「俺、資格持ってたじゃん!」と、資格を持っていたことをそのとき初めて思い出しました(笑)。 特に何か大きな志があったわけではなはなく、独立開業だったら自分のペースで働けそうだと思い、独立を真剣に考え始めます。
「辞めます」と言ったのがその年の7月で、実際に半年後に退職しました。その半年間はほとんど準備せず、独立に関する本を読むくらいでした。3月に独立し、その年の年商は180万円しかなく、前職のつながりのお仕事が120万、純粋な社労士業務は60万くらいしかありませんでした。とにかく人と会わなければいけないと思い、交流会や社労士会に毎週のように通っていましたね。
社労士として独立して記念すべき最初の仕事は、1文字1円の社労士試験向けのコラムの執筆でした。3記事書いて5,000円程度でしたが、受注した時は本当に嬉しく、今でも忘れません。その後は、いろんな方と会う中で少しずつお客様が付くようになりました。顧問としての最初の仕事は社労士会の先生から、助成金獲得のための長期契約の仕事を紹介してもらいました。2年目はサラリーマンと比較しても遜色ない年収が得られるようになりました。3年目に入ると、スポットと年間契約両方で、50~60社担当していました。
私の事務所のクライアントは、10人未満の会社が全体の80%で、そのような小規模の企業で100社以上の実績があります。意図的に小規模のクライアントを作ろうと思ったわけではありません。一つだけ私がクライアントに対して心がけていることがあって、それは「傾聴」です。中規模の会社はどちらかと言うと社労士に管理のテクニックを求める傾向にありますが、一方で小規模の会社は、私の行うような傾聴に共感を示す企業が多いです。
その理由を私なりに考えてみたところ、小規模の会社が傾聴を求めるのは、経営者にとっての相談相手がそれほどいないからだと思います。大きい会社であれば社内に有能な相談相手がいるでしょうが、小規模の経営者はそうはいきません。自分で何でも対応しなければならない経営者がほとんどです。
私は、少しでもそのような、周りに相談相手がいない経営者のお役に立てないかと思うようになりました。クライアントが何か困っていたときに、「自分に何かできないだろうか」を常に考えて一歩先の提案をするように心がけています。時には社労士業務に関係ない相談もされますが、信頼関係を築くチャンスととらえ、なるべく情報収集してアイデアをお伝えしています。
労務相談がメイン業務で、月額の顧問料をもらって相談を受けています。お客様によって社会保険関係の手続き事務なども依頼があり、希望によって給与計算を行っています。これらを含んだ顧問業務が私の業務の半分を占めています。残りの半分は、助成金の申請サポート、就業規則などの各種規程作成、セミナー講師です。この2年はコロナの影響でイレギュラー的に助成金業務が急増しています
実績として多いのは、就業規則の作成です。例えば問題社員を懲戒処分にするためには就業規則が必要です。しかし、いざ問題となる社員が出たときに、その会社に就業規則がないと、懲戒解雇どころか、そもそも処分することすらできないため、それで困っているクライアントが多くいらっしゃいます。そこで、問題となる社員に対しては厳格に懲戒対応できるようなサポートを積極的に行ってきました。
今後は、パワハラ、セクハラ、マタハラなどのハラスメント問題に力を入れていきたいです。私のサラリーマン時代に、今考えてみるとあればパワハラだったという出来事がありました。そのとき感じたことが強烈で、それ以降ずっと心に引っ掛かるものがありました。「もっと日本の職場が働きやすくなればいいのに」という想いがあったと気づきました。
私自身は、会社員時代に凄い実績を持っていたわけでもなく、知識がもの凄くあったわけもない。だからこそ、それでも私を選んでいただいた方に人一倍寄り添い、顧客の問題解決にあたっています。仕事を損得で考えるのではなく、縁で考える。そんな事務所でありたいという想いから「えん社会保険労務士法人」と付けました。
損得ではなく人との縁でお仕事を決めるというのは、受注金額や条件ではなく、その人と付き合いたいか、自分が応援したい人かで判断するということです。特に不器用な方にお会いすると、自分も不器用なタイプなこともあり、応援したいと心から思ってしまいます。そういう方をサポートして貢献できている感じるとき、とても嬉しいですね。これからも人との縁を大事にしていきたいです。
クライアントには絶対に嘘をつかずに誠実な態度で接することが私の理念です。何か好ましくないことが起こったら、わかった時点ですぐに正直に報告するようにしています。嘘をついても良い結果は生まれないということは小さい頃に受けた親の教育だと思います。また、「お客様は神様」ではありますが、お客様のためなら少しは耳に痛いことをお伝えするのが私の役目だと思っています。
既に絶版になっていますが、2018年、給与計算に関する1冊目の本を出版しました。給与計算は、ガスや電気と同じように当たり前の存在になっていて、世の中で過少評価されがちです。給与計算の担当者にもっと仕事に誇りを持ってもらえたらという想いで書いた本です。
近い将来、2冊目の本を出したいと思っています。コロナで働き方がかなり世界で変わって来ているため、「各国と日本の働き方の比較」をテーマに現地の方にインタビューしながら情報収集をして、レポートのようにまとめたいと思っています。例えば、年末調整は他国にもありますが、国によってやり方が全く異なります。サービス残業は他の国にはあるのか?ハラスメントの対応は国によってどう違うのか?などの内容を入れたいですね。他の国と比較することで日本の仕組みが悪いところだけでないとわかってくるでしょう。長所と短所を客観的に示して、建設的に役立ててもらえるような本にしようと計画しています。
もう一つの短期目標は、人を雇うことです。私以外の人材が増えることによって、私のサービスの精度が上がって、もっと良いサービスができると感じます。今、周りの知り合いに「良い人がいたら紹介して」と伝えています。
長期目標は、「傾聴」をビジネスマナーにすることです。聴くことに気を付ける社会になれば、もっと就業環境が良くなると信じています。産業カウンセラーの資格を勉強していたときに、①傾聴②自己一致③共感的理解の3つを習いました。
共感的理解とはあまり聞きなれないと思いますので補足すると、「相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする」ことです。また、「これら(①②③の3つ)が相手に対する基本的な態度」になると学びました。
これらを職場で実践するのが常識になれば、パワハラがなくなって働きやすい環境に変わると思うのです。
私は事務所を大きくして売上を伸ばしたいという願望以上に、クライアントの立場に寄り添いながらお役に立てる存在であることに喜びを感じます。これからもこのスタンスを貫いて、よりクライアントに貢献していきたいです。
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野球観戦、広島カープのファン
海外旅行を通して海外文化と触れ合うのが大好きです。
将来は海外移住して本を書きながら印税で暮らすのが私の夢でもあります。
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